
今日はマイケルが最も愛したキャラクター(?たぶん)ピーターパンについて書いてみたいと思います。
あることが気になって仕方なかったので。
ピーターパンのトレードカラーは緑×黄緑です。
緑→安心、リラックス、深い癒し、成長やスタート、安全、居場所、などの意味も。
黄緑→“新しい可能性が生まれた”色。まだ時が早すぎて自信がないときでも、成長や変化に対して前向きになるよう、明るい未来にこころを開くお手伝いをします。
あれれれれ?
おかしいですよね!
ピーターパンといえば大人になることを頑なに拒む代表者。さらにピーターパン症候群といえば、『成長する事を拒む男性』として定義されています。
しかし、変化に強い緑とさらに前向きな黄緑を身にまとうピーターパンが大人になるのを恐れているようには、私にはどうしても思えなかったのです。
そこで、原作のあらすじを読んでみることに。
原作本『Peter and Wendy』
1911年 原作者 ジェイムズ・マシュウ・バリ
イギリス(1860年~1937年)
訳書名ピーターパンとウェンディ
〈岩波書店、ポプラ社、角川書店、他〉
翻訳者 厨川圭子、まだらめ三保、秋田博、他
原作とアニメは、舞台とキャラクター設定が同じというくらいで、個々の冒険の物語は原作とアニメではまったく異なります。原作のネバーランドはもっと残忍な戦いが繰り広げられており殺伐としているのだそう。フックは仲間も平気で殺し、血を見るのが大好き。護衛役のインディアンたちも全滅させられます。
そして、アニメよりももっと感傷的な物語なんだそうです。またアニメではあっさりとネバーランドへ飛んでいきますが、原作ではウェンディが出発するまでに物語全体の3分の1くらいのページを占めています。
ピーターパンはのちに大人になってしまったウェンディを見て悲しみますが、その子どもができるとまた一緒にネバーランドへ。という繰り返しで物語は終わります。
ピーターパンは永遠に子どものまま。
ですが、原作とアニメの共通点として、フックを倒してからロンドンの家に帰るということがあります。原作は完全に殺していますが、アニメはワニに追いかけられてどこかへ行ってしまいます。
もしかしたら、ピーターパンは大人になる心の準備を子どもたちに与える存在なのでは?
フックは大人社会の残忍さの象徴。かなり手ごわい奴ですが、それを倒して「もう怖くない」と思ったことで、本当に家に帰ることが実現しました。それは、大人に成長することに伴う汚さや残忍さを受け入れる覚悟ができたということではないでしょうか。
子どもたちが大人になることを恐れた時、ピーターパンが窓をコンコンと叩く音が聞こえてくるのかもしれません。
ピーターパン症候群の人は、まだピーターパンに出会えていない人、という定義に変えるべきですね。
変化を恐れている人は、夜窓辺に立ち、ピーターパンとともにネバーランドに飛んでいく自分を想像してみてください。そして自分の中のフック、つまり恐れていることが何なのかしっかり向き合ってください。きっとピーターパンが力を貸してくれて、見事打ち勝てると思いますよ!
ピーターパンという物語があるからこそ、子どもたちは大人になることを素直に受け取れるのかもしれません。やっぱりピーターパンは、冒険好きで変化を恐れない、勇気ある僕たちのヒーローです!
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